講座詳細
数学の夕べ6月 同値関係と商空間
              ―《現代数学の基礎概念》2
           
          
講座趣旨
“数学の夕べ”
 数学は新たな視点を加えながら現在も発展を続けています。特に近代以降の数学から数多くの興味深いトピックが生まれました。容易にはアクセスできず、知られていないものも多くあります。
近年は、数学についての啓発的な書物も多く出版され、三鷹ネットワーク大学で開講する小林一章先生の講座を含め、興味深いトピックがより深く取り上げられる機会も増えています。
 本講座では、そのような興味深いトピックの中から一つ選んで、数学の視点や発展の様子などを紹介していきたいと思います。講座の中で、必要な予備知識も出来るだけ説明する予定です。
講座概要
| 講座日程 | 2019年 6月28日 (金) | 
|---|---|
| 時間 | 19:00〜20:30 | 
| 定員 | 30 人 (先着制) | 
| 回数 | 1回 | 
| 受講料 | 500 円 | 
| 難易度 | ★★☆ | 
| 会 場 | 三鷹ネットワーク大学 | 
| 受付期間 | 5月21日(火)午前9時30分より | 
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| 日程 | 開催時間 | 会場 | 担当講師 | 内容 | 
|---|---|---|---|---|
| 第1回 6月28日 | 19時00分〜20時30分 | 三鷹ネットワーク大学 | 土屋 あい子 | 同値関係という概念は数学の様々な場面に登場する。集合の元をその“関係”によって類別すると、“類”を元とする商集合とよばれる新たな集合が構成される。例えば2つの整数の差が2の倍数ならば“関係”があると定めると、その商集合は偶数と奇数の2つの元からなる集合となる。今回はまず同値関係について解説し、興味深いいくつかの商集合を紹介する。例えば有理数全体は整数を基にしてできる集合の商集合と捉えられ、実数全体も有理数を基にしたある集合の商集合として捉えられる。また、群Gの部分群Hによるある“同値関係”からできる商集合G/Hも興味深い。n次元ユークリッド空間Rnのk次元線形部分空間からなるグラスマン多様体とよばれる集合は、Rnの線形同型写像が作る群GL(n,R)のある部分群による商集合として表される。集合の更なる構造に注目すると、商線形空間、商位相空間なども考えられる。 | 
講師
| 土屋 あい子(つちや あいこ) | 元 国際基督教大学 上級准教授 1950年三重県生まれ。津田塾大学学芸学部数学科卒業。津田塾大学助手を経て、78年より国際基督教大学教養学部理学科、2008年よりアーツサイエンス学科の数学教師。 専門は位相幾何学で、特に多様体と呼ばれる物体に群が作用する様子を研究する変換群論を専門とする。 |