大人のための音読講座（ワークショップ付朗読会）三鷹ゆかりの作家たち（３２）
森鴎外の作品「カズイスチカ」より　その1

講座趣旨

◆みなさんで声に出して作品を味わいます…。

　これまでの読書は黙読が中心でした。声に出して読む、つまり音読すると、文章がより立体的になり、新たな世界を発見できます。読書の新しい方法として、声に出して味わう音読を体感してみませんか？ここではプロの朗読家のような正しいアクセント、明瞭な発声などは必要ありません。必要なのは、素直に物語を捉え、その気持ちをそのまま音にするということです。
台詞、ト書き、主人公が語り手となる独白体など、 感じたままに自然に声を出す音読の楽しさをお伝えします。
　講師による朗読と、参加者の皆さんで音読するワークショップ付の講座です。

　三鷹市禅林寺に眠る森鴎外。太宰治は鴎外を尊敬し禅林寺に墓を作ることを希望しました。今回取り上げる「カズイスチカ」は太宰が生まれた年、明治42年（1909年）に発表された作品です。「カズイスチカ」とはラテン語で臨床記録のこと。鴎外がまだ医学生だったころ、足立区で開業していた父親の病院で時折、代診をすることがありました。その経験をもとに生まれた作品には、地域医療に携わる父の日常の姿や、代診を任された青年医師の奮闘振りが描かれています。７、８月と２回に渡り、取り上げます。