講座詳細

数学の夕べ 基本群と被覆空間−トポロジーへの招待3

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講座趣旨

 数学は新たな視点を加えながら現在も発展を続けています。特に近代以降の数学から数多くの興味深いトピックが生まれました。容易にはアクセスできず、知られていないものも多くあります。
 近年は、数学についての啓発的な書物も多く出版され、三鷹ネットワーク大学で開講する小林一章先生の講座を含め、興味深いトピックがより深く取り上げられる機会も増えています。 
 本講座では、そのような興味深いトピックの中から一つ選んで、数学の視点や発展の様子などを紹介していきたいと思います。講座の中で、必要な予備知識も出来るだけ説明して行く予定です。

 2018年度の「数学の夕べ」ではトポロジーをいろいろな視点から紹介する。今回はその3回目である。トポロジー(位相幾何学)は図形を連続変形しても変わらない性質について調べる幾何学である。ここで連続変形とは、大雑把に言うと、図形をゴム膜のように考え、切ったり張ったりはせずに、伸ばしたり縮めたりして変形することと捉えられる。
 第1回では集合に連続性を論じることのできる位相構造を入れた位相空間について紹介した。二つの位相空間が互いに連続変形で移り合うことのできるとき同相であるといい、同相な空間に不変な量(性質)を位相不変量という。第2回で導入された基本群は有力な位相不変量である。
 今回は、一つの位相空間を覆う被覆空間とよばれる空間に目を向け、n次元球面、射影平面、特殊直交群SO(3)などの興味深い空間の基本群を計算してみる。基本群が異なれば、それらの位相空間は一方をどのように連続変形しても他方に移すことはできない。


 

講座概要

講座日程 2018年 7月20日 (金)
時間 19:00〜20:30
定員 30 人 (先着制)
回数 1回
受講料 500 円
難易度 ★★☆
会 場 三鷹ネットワーク大学
受付期間 6月19日(火)午前9時30分より

※スクロールしてご確認ください→

日程 開催時間 会場 担当講師
第1回
7月20日
19時00分〜20時30分 三鷹ネットワーク大学 土屋 あい子 元国際基督教大学上級准教授

講師

土屋 あい子(つちや あいこ) 元 国際基督教大学 上級准教授
 1950年三重県生まれ。津田塾大学学芸学部数学科卒業。津田塾大学助手を経て、78年より国際基督教大学教養学部理学科、2008年よりアーツサイエンス学科の数学教師。
 専門は位相幾何学で、特に多様体と呼ばれる物体に群が作用する様子を研究する変換群論を専門とする。

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