講座詳細

数学の夕べ 7月
圏による直観主義論理

※用紙で受講者登録または講座申し込みをされる場合は上記からダウンロードしてください。

講座趣旨

国際基督教大学 寄付講座
“数学の夕べ”
 数学は新たな視点を加えながら現在も発展を続けています。特に近代以降の数学から数多くの興味深いトピックが生まれました。容易にはアクセスできず、知られていないものも多くあります。
 近年は、数学についての啓発的な書物も多く出版され、三鷹ネットワーク大学で開講する他の講座を含め、興味深いトピックがより深く取り上げられる機会も増えています。
 本講座では、そのような興味深いトピックの中から一つ選んで、数学の視点や発展の様子などを紹介していきたいと思います。講座の中で、必要な予備知識もできるだけ説明する予定です。
 

講座概要

講座日程 2025年 7月25日 (金)
時間 19:00〜20:30
定員 25 人 (先着制)
回数 1回
受講料 500 円
難易度 ★★☆
会 場 三鷹ネットワーク大学
受付期間 6月17日(火)午前9時30分〜7月24日(木)午後9時

※スクロールしてご確認ください→

日程 開催時間 会場 担当講師 内容
第1回
7月25日
19時00分〜20時30分 三鷹ネットワーク大学 清水 勇二 圏による直観主義論理
 圏(カテゴリー)は現代数学の基本概念である。圏論の言葉は最も基礎的な数学の言葉であり、集合に代わりうるものである。集合と写像に相当するのが、対象と射、圏と関手である。
 19世紀前半のBooleが始めたBoole代数は命題論理を表現する。それは束(lattice)の一種であり、排中律がそこでは前提となっている。しかし排中律を仮定しない直観主義論理はBoole代数では表せない。オランダのBrouwerに代表される直観主義論理では排中律を仮定せず、Boole代数では表せないが、より一般のHeyting代数で直観主義論理を表現できるようになった。その後、Heyting代数と圏論のつながりが明らかとなった。
 今回の講座では、命題論理、Boole代数、Heyting代数の概念を説明し、さらに圏論とつながる部分を見ていきたい。

講師

清水 勇二(しみず ゆうじ)  国際基督教大学 特任教授
 東京生まれ。東京大学理学部卒業。東北大学、京都大学を経て、2000年から国際基督教大学に在職。現在、教養学部教授。専門は代数幾何学、特にホッジ理論で、リーマン面のモジュライの共形場理論への応用も研究している。
 著書に、「複素構造の変形と周期」(上野健爾氏と共著、岩波書店)、「基礎と応用 ベクトル解析」(サイエンス社)、「圏と加群」(朝倉書店)、「代数の基礎」(共立出版)、翻訳に「数え上げ幾何と弦理論」(S.カッツ著、日本評論社)がある。

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