これからの生き方を考える　１０月（第１回）
思い遣る心　恥じる心　〜日本人の美意識と日本庭園の変遷を探る〜

講座趣旨

　人生90年時代に、生涯にわたって心身ともに健康で過ごす「ビューティフル　エージング」を実現するための、「気づきと話し合いの場」を提供させていただく講座です。テーマは「生きがい・健康・経済・コミュニケーション・趣味」など幅広い分野を取り上げてまいります。

　大震災で被災した日本人の秩序ある行動に、世界は驚嘆したと言われています。日本人の行動には、「応分の場の秩序に尽力する」という、縄文時代の共生社会と大乗仏教の本覚思想の影響を見出すことができます。
　日本人特有の美意識「思い遣る心　祓う心　恥じる心」は、仏教神道から醸成されたものです。「思い遣る」には、確執を離れ、そのうえで他者を想念しなければなりませんが、それは「即身成仏」の教義そのものです。日本庭園の変遷は、この美意識と教義により、古墳時代から露地（現在の家庭の原型）までの造形美を表現しています。