講座詳細

高齢者福祉研究(ゼミ)【オンライン講座】
〜コロナ禍における質の高い高齢者ケアをめざして〜

C2131300.pdf

講座趣旨

ルーテル学院大学大学院サテライトキャンパス講座
「高齢者福祉研究〜コロナ禍における質の高い高齢者ケアをめざして〜」【オンライン講座】
 本講座は、疾病や認知症、うつ病に関する基礎理論、高齢者を取り巻く生活課題を把握する調査理論、社会福祉士が活用する社会福祉制度の成立要因、現状と課題を分析する福祉政策理論、高齢者へのソーシャルワークの知識、方法を学び、実際の現場に適用し、その検証を行い、社会福祉士として実践の水準の向上を図ります。現場の実践者、経験者、これから新たな事業や活動に従事したいと思う方、関心の高い市民の方、ぜひご受講ください。
 
※ 本講座は、ルーテル学院大学大学院の正規講義です。受講の際には三鷹ネットワーク大学で募集する受講生に加えて、ルーテル学院大学の大学院生が履修します。
※ 三鷹ネットワーク大学の受講生は単位取得ができません。

※ オンライン会議アプリのZoomを使用した講座です。ご自宅などからご参加ください。
 
■講師による書類選考があります■
申し込み締切:10月7日(木)閉館時間
 
所定の申込用紙に必要事項を記入のうえ、メール添付、郵送、ファックスまたはご持参にて三鷹ネットワーク大学にお申込みください。

◆Word版の申込書をご希望の方は以下(Googleドキュメント)からダウンロードしてください。
https://docs.google.com/document/d/1zw1YJJGp5b6dDhphpDTz7qH8f4dlzq-8/edit?usp=sharing&ouid=116342845186876451324&rtpof=true&sd=true

講座概要

講座日程 2021年10月22日 (金)
 〜2021年11月26日 (金)
時間 下記をご確認ください。
定員 10 人 ※書類選考あり 大学卒業程度で社会福祉関係従事者の方を主な対象としています。
回数 5回 (通し受講のみ)
受講料 一     般 5,000 円
市     民 4,000 円
市民在勤・在学 4,000 円
市 民 学 生 3,000 円
会     員 2,500 円
教 材 レジュメ資料ほか
難易度 ★★★
会 場 下記をご確認ください。
申し込み 受講を希望する方は申込書の提出が必要となります。「申し込み用紙ダウンロード」から申込書をダウンロードできます。Word版は左のリンクからダウンロードできます。
受付期間 9月21日(火)午前9時30分〜10月7日(木)閉館まで

※スクロールしてご確認ください→

日程 開催時間 会場 担当講師 内容
第1回
10月22日
18時30分〜21時40分 オンライン(Zoom) 市川 一宏 1限:コロナ禍における高齢者福祉政策の現状と課題
 新型コロナウイルスの広がりは、今までの関係を打ち砕き、不安、恐怖、不信、怒りを生み出し、負の連鎖が広がってきています。だからこそ、私は、大切なもの、大切なことを守る決意が必要だと思います。私は、その中に「人への思いやり」を加えたいと思っています。そして、コロナウイルスの脅威にさらされている私たちだからこそ、今、すべきことを考え、今できることを実践していきたいと思っています。高齢者福祉の再検討でもあります。
2限:高齢者福祉の史的展開と今日における高齢者福祉の位置
 明治期より今日に至る高齢者福祉の歴史をふまえ、日本における施策の展開を検討します。具体的には、貧困者対策、入所施設を中心とした対策が、在宅福祉へと移行し、さらに地域福祉型へと移行する過程を振り返り、介護保険の介護予防・生活支援サービス等に見られる共助の強調、地域共生社会における障害者施策と高齢者福祉を合体させた共生型サービスの登場等、今日の高齢者福祉の特徴を明らかにします。
第2回
11月 5日
18時30分〜21時40分 オンライン(Zoom) 市川 一宏 1限:今日における多様化、深刻化、複合化した高齢者問題の現状
 今、日本は、急激な人口の高齢化による超高齢社会にあって、2025年問題、8050問題、家族の核家族化による老老介護の問題、また認知症高齢者の増加、孤立の問題、貧困の問題が深刻化しています。そして、コロナによって、ますます深刻化している現状を統計資料や実際の事例等を用いながら学習します。
2限:老親を扶養する家族が直面する問題、ダブルケアラーの問題を考える
 今日における家族の意識、機能を検証し、そもそも家族が老親介護にどのような役割を担えるのか、家族が介護すべきという考えではなく、介護においてどのような役割を担えるのか、考えていきます。また、ケアラー支援で先駆的な自治体や実践を検証します。
第3回
11月12日
18時30分〜21時40分 オンライン(Zoom) 市川 一宏 1限:コミュニティケアと地域における施設の機能
 高齢者福祉施設は、この数10年、その機能を多様化、専門分化させてきました。以下の機能について検証します。(1)機能の社会化(施設の専門的機能を活用した相談事業、デイサービス等の地域への提供、意識化された職員の地域活動への参加、緊急一時保護、(2)生活・処遇の社会化:ボランティア活動・施設内における施設利用者と地域住民との交流、買い物・外食・旅行等のプログラムの実施、町会等の地域活動への利用者の参加、施設の枠を越えた地域での地域住民との交流、(3)運営の社会化:理事会・運営協議会への住民参加、(4)課題の社会化:ソーシャルアクション
2限:入所施設における処遇(講義)
「地域からの隔離」「保護と収容」施設から、利用者主体の「生活の場」にしようとする多くの取り組みを検証します。
第4回
11月19日
18時30分〜21時40分 オンライン(Zoom) 市川 一宏 1限:介護保険制度の現状と課題
 介護保険制度は、2000年の施行以降、度重なる改革をして今日の体制になってきました。たとえば2005年改革において介護予防が取り入れられ、また地域包括ケアシステムの導入や地域共生社会における障害者福祉との関係の強化、生活支援サービスの導入等々、その実態を考察していきます。また、私の介護保険事業計画策定の経験を通し、今日必要とされる取り組みについて、考えていきます。
2限:在宅福祉サービスの現状と限界・課題
 高齢者福祉サービスの中軸となる在宅福祉サービスの体系を、利用支援・利用啓発サービス、予防・福祉増進サービス、派遣型(家事援助、介護、訪問看護)・通所型ケア(デイサービス)・食事サービスや入浴サービスを内容とする在宅ケア、滞在型ケア(ショートステイ、ミドルステイ)、生活環境改善サービスに分類し、それぞれの可能性と課題を検証します。
第5回
11月26日
18時30分〜21時40分 オンライン(Zoom) 市川 一宏 1限:高齢者の権利保障と援助の専門性
 契約時代における高齢者の権利保障として、選択の保障と利用支援、地域福祉権利擁護事業と成年後見制度、苦情対応システム、第三者評価事業における質の担保等があげられます。しかし、それらが援助に十分組み込まれているかは、疑問の点も少なくありません。そもそも援助の専門性とは何か、踏み込んで考察することをめざします。
2限:在宅高齢者の虐待、孤立予防(演習・事例検討)
 虐待と孤立は、相互に連関しています。本講義では、従来のイギリスの高齢者虐待と対応について紹介し、その定義や対応策について検討します。また、孤立の問題を分析し、総合的日常生活支援の視点から、フォーマルケア、インフォーマルケアの現状と相互の連携モデルについて検証します。

講師

市川 一宏(いちかわ かずひろ) ルーテル学院大学 教授・学術顧問
 日本社会福祉学会監事、第8期東京都高齢者保健福祉計画策定委員会委員長、東京都共助社会づくりを進めるための検討会委員長、三鷹市、調布市、小金井市、練馬区等の介護保険事業計画等の策定に関わる責任を担う。国・都道府県・市区町村の行政、社会福祉協議会、民間団体における計画の策定、実施、評価および調査研究、人材養成等に多数関わる。近年、社会福祉の推進を通したまちづくり、保健医療福祉等の連携、共生・参加型社会における福祉政策と実践の統合に関する研究を進めている。

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