講座詳細

誰が景観を享受できるのか?戦間期オーストリアにおける山岳ツーリズムの発展と自然景観

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講座趣旨

東京外国語大学 企画講座
 
このたび、三鷹ネットワーク大学では、東京外国語大学と連携し、企画講座を開催します。講師には、同大学の世界言語社会教育研究センター特任助教で、ドイツ語圏の近現代史が専門の、古川高子さんをお招きしてお送りします。
 地域・国家・世界というレベルを問わず、環境の持続可能性が論点となっています。人間と自然はどう切り結んでいけばよいのでしょうか。今回はオーストリアの事例について聞きます。
 

講座概要

講座日程 2020年 2月22日 (土)
時間 13:00〜15:00
定員 50 人 (先着制)
回数 1回
受講料 500 円
難易度 ★☆☆
会 場 三鷹ネットワーク大学
受付期間 1月21日(火)午前9時30分より

※スクロールしてご確認ください→

日程 開催時間 会場 担当講師 内容
第1回
2月22日
13時00分〜15時00分 三鷹ネットワーク大学  オーストリアは第1次世界大戦敗戦によって領土・人口が大きく減少するとともに、基幹産業をも失ったため、それに代わるものとして国家レベルでツーリズムを推進していきます。残った観光地はアルプスのみ。唯一の資本である景観に「美しい自然」というイメージを付与して山岳地域を開発し、販売したのです。その過程で、グロースグロックナー高山自動車道の側にロープウェイや駐車場を設置してよいのかどうかの問題が起きますが、それは景観を誰が享受できるかについての争いでもありました。
 本講座ではその論争を検討しながら、「景観は精神の所産である」という名言を手がかりに、当時のオーストリア社会に生きた登山家や政府がどのようなことを考えていたのかを明らかにしていきます。

講師

古川 高子(ふるかわ たかこ) 東京外国語大学 世界言語社会教育センター 特任助教
 東京外国語大学外国語学部ドイツ語学科卒業後、同大学院に進み、同大学海外事情研究所研究員等を経て現職。専門はハプスブルク・オーストリア史。特にナショナリズム、アルピニズムや自然保護の歴史を研究。主著に「20世紀初頭オーストリアにおける労働者たちの登山思想」『日本山岳文化学会論集』17(2019年)、「オーストリアのツーリズム」『ハプスブルク史研究入門』(昭和堂、2014年)など。

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