講座詳細

消えた反物質で宇宙を探る
―我々は偶然の存在か?

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※用紙で受講者登録または講座申し込みをされる場合は上記からダウンロードしてください。

講座趣旨

“もっと科学に親しもう!”7
 AI(人工知能)が囲碁や将棋で人間に勝ち、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)が私たちの生活や産業を大きく変えています。また、宇宙ではダークマターやダークエネルギーの存在が明らかになり、アインシュタインが出した宿題の重力波まで発見されました。
 こうした最先端の科学や技術の課題を取り上げ、多くの方々にわかりやすく紹介するのが、本講座のねらいです。皆さまのご参加をお待ちしております。

講座概要

講座日程 2020年 2月20日 (木)
時間 19:00〜20:30
定員 50 人 (先着制)
回数 1回
受講料 500 円
難易度 ★☆☆
会 場 三鷹ネットワーク大学
受付期間 1月21日(火)午前9時30分より

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日程 開催時間 会場 担当講師 内容
第1回
2月20日
19時00分〜20時30分 三鷹ネットワーク大学 山崎 泰規  反物質/反粒子は、1928年天才物理学者ディラックが偶然理論的に予言しましたが、当初はディラック自身も信じていませんでした。ところが、1932年、アンダーソンはやはり偶然反電子(陽電子)を宇宙線中に発見し、反物質が現実のものとなりました。この後、1955年には反陽子、さらに、反中性子、反重陽子、反三重陽子、反ヘリウム3と順次反粒子が生成され、2011年には、反ヘリウム4の生成も確認されました。現代物理学の理解では、粒子は必ず反粒子と対になって生成され、対になって消滅します。138億年前のビッグバンでも事情は同じで、同量の物質と反物質が生まれ、その後、消滅したと考えられますが、我々の住む宇宙には反物質の痕跡がありません。この非対称性は現代物理学における最も大きな謎の一つとなっています。本講座では、反物質と物質の比較、暗黒物質との関係等に触れながら、物質だけからなるこの宇宙や、その一部である我々の存在の不思議を考えていきます。

講師

山崎 泰規(やまざき やすのり) 国立研究開発法人 理化学研究所 研究政策審議役
 1973年3月大阪大学理学部物理学科卒、78年3月 同大学院工学研究科応用物理学専攻博士課程修了(工学博士)。同6月 東京工業大学 原子炉工学研究所 助手、88年3月 東京大学 教養学部 助教授、93年12月同 教授(1996年4月から東京大学大学院 総合文化研究科)、97年4月 理化学研究所 原子物理研究室 主任研究員併任(2003年10月独法理研 中央研、08年4月基幹研、10年4月上席研究員)、15年4月 研究政策審議役(副理事)。05年9月国際純粋・応用物理学連合C15副議長、11年9月日本学術会議連携会員、05年9月ICPEAC国際議長、07年9月(社)日本物理学会理事、16年3月International Conference on Low Energy Antiproton Physics議長、10年11月 米国物理学会フェロー、10年12月英Physics World 誌 Breakthroughs of the year 2010の第一位、11年10月第15回松尾財団宅間宏記念学術賞、12年3月第52回東レ科学技術賞、12年4月 科学技術分野の文部科学大臣表彰。著書に『粒子線物理学』(丸善、1994年9月)、『新・物理学事典』(講談社、2009年。第3章原子物理学担当)等がある。

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