HOME > メッセージ > お祝いのメッセージ

清原慶子 三鷹市長 平成17(2005)年10月に活動を開始した「三鷹ネットワーク大学(以下ネット大)」は今年、開設10周年を迎えています。これまでネット大の活動をお支えいただき、ご参画いただいてきた市民の皆さま、清成忠男理事長はじめ理事の皆さま、賛助会員の皆さま、歴代常務理事はじめ事務局の皆さまとともに、10年の歩みを心から祝福し、ご一緒に未来を展望したいと思います。
 ネット大は、「民(市民)」「学(大学研究機関)」「産(産業界)」「公(市役所等の公共機関)」「官(国の機関)」がつながり、それぞれが持つ知的資源を最大限に活かして協働し、三鷹市から全国に向けて、そして、未来に向けて、地域課題の解決を含む「まちづくりの新しい扉」を開く「大学研究機関との協働の新しいカタチ」を示してきました。
 ネット大では、会員である大学研究機関とご一緒に、多様で多彩な講座を開講するとともに、まちづくり総合研究所での調査研究活動、国や都の公募事業、事業者や研究機関と連携した実証実験など、さまざまな研究開発事業にも取り組んできました。
 たとえば、国立天文台による「アストロノミー・パブ」や「太宰を読む百夜百冊」「SOHOベンチャーカレッジ」のように長期継続講座の事例が生まれました。また、分野を超えた連携のなかから誕生した「みたか太陽系ウォーク」という市内各所のスタンプラリーという参加型のイベントでは、協力事業所や参加者が年々増加し、市内に科学文化による活気をもたらしています。
 この10年間は、関係者がまさに大学研究機関と市民や各種団体と市とが、協働の充実に向けて創意工夫を重ねてきています。地域人財養成についても、山本有三記念館、太宰治文学サロンなどの文化施設のガイドボランティアや星のソムリエ、科学プロデューサーの養成講座、教育人財や福祉分野のボランティア育成などの成果を挙げています。さらに、人財と活躍の場とのマッチングにも力を注いでいます。
 ネット大の事業は、参加者・関係者による知識や情報の共有化を基礎にして、出会いが新しいアイデアをまちづくりに活かしていく過程を顕在化させています。多様な皆さまが、多層的多元的なコミュニケーションを進めていく機会を提供することで、課題発見と課題解決が進み、三鷹市の元気の原動力となっています。
 ネット大がこれからもこれまでの10年間と同様に、大学研究機関を中心として、民学産公の協働を進め、現代の課題解決をはかるとともに、未来をきりひらくために、さらなる学習、研究開発と交流の場となることを期待しています。


鈴木典比古 国際教養大学 学長 三鷹ネットワーク大学10周年おめでとうございます。清成忠男理事長のリーダーシップの下に着実な歩みを続けてこられましたことに祝意を表します。私も微力ではありましたが、設立当初及びその後の数年間、国際基督教大学学長として三鷹ネットワーク大学の活動に参加させていただいたことをなつかしく思い出しております。
 今後の日本では、高等教育機関の地域連携が益々重要になります。これは少子化による学生減少が予想される中で、大学の生き残り戦略的意味もありますが、それよりもICT技術を使った大学間協力・連携が進む可能性が大きくなっていることがあげられます。
 21世紀の中頃の大学の在り方、大学コンソーシアムの在り方について、三鷹ネットワーク大学がモデルになってくださることを願います。


松田博青 杏林学園 理事長・学園長 全国に先駆けて「民学産公」の協働によるユニークな事業展開を続けてこられた三鷹ネットワーク大学の10年の歩みに心より敬意を表しお祝い申し上げます。
 本学は平成25年度にそれまでの地域交流活動が認められて文部科学省「地(知)の拠点整備事業」に採択されました。それまでの三鷹ネットワーク大学とのかかわりは医学部などの関係者が時折講演を行う程度でしたが、採択をきっかけに26年度は20件の公開講演会(受講者1,471人)を共同開催させていただき、27年度も同程度の共催の講演会を予定しています。平成28年4月には三鷹市下連雀に井の頭キャンパスを設置して八王子キャンパス(保健学部・総合政策学部・外国語学部・保健学研究科・国際協力研究科)を移転し、教育・研究機能を三鷹に集約します。社会貢献は大学の使命であり、移転を契機に本学の人文・社会科学系の教育・研究資源も活用して、様々な分野でこれまで以上に連携させていただきたいと願っています。


市川一宏 ルーテル学院大学 学事顧問 私は、三鷹ネットワーク大学の創設から関わらせて頂き、「民学産公」の協働の可能性を実感しています。
 ルーテル学院大学は、深い人間理解を基盤に置き、社会福祉、臨床心理の専門職の養成を重要な使命とし、児童、高齢、障害、母子等の福祉機関・施設、医療・教育機関、行政、社会福祉協議会等で働く人材を送り出しています。その教育能力と知識、経験を三鷹市へ還元し、貢献することは、本大学が目指すことであり、ネットワーク大学はその場を提供してくださいました。メンバーの大学がコラボして地域ケアの体系的な学びと実践を市民に提供したプログラム等、先駆的な取り組みもありました。その結果、たくさんの方々との信頼が生まれ、ネットワークが広がりました。これは、本学にとって大きな収穫でした。
 本大学の特性を理解してくださり、様々な機会を提供し、支援してくださった清成忠男理事長、副理事長で杏林学園理事長松田博青先生、国際基督教大学前学長鈴木典比古先生、現学長日比谷潤子先生、そして市として積極的に「民学産公」の協働を進めてくださった清原慶子現市長、河村孝前副市長に心から感謝します。
 ルーテル学院大学は、今後も積極的に、三鷹ネットワーク大学の働きに加わってまいります。


日比谷潤子 国際基督教大学 学長 三鷹ネットワーク大学推進機構は、2015年10月に10周年を迎えます。この間、本邦では唯一の「民学産公」の協働による「地域の大学」として、教育・研究機関を地域に開放し、地域社会における知的ニーズを融合してきたことに、心より敬意を表します。
 1953年に三鷹市大沢に開学した国際基督教大学(ICU)は、各種講座やイベントを通して、このネットワーク大学の活動に参画してまいりました。加えて、機構には本学学生がさまざまな形でお世話になっており、深く感謝申し上げます。今後も、地域の人々がそこに軸足を置き、地域の特性を十分に活かしつつ、世界に向かって開かれた多彩な活動を展開する拠点として、ますます発展していくことをお祈りしております。


林 正彦 自然科学研究機構  国立天文台 台長 三鷹ネットワーク大学推進機構開設10周年、おめでとうございます。
 国立天文台では、星のソムリエ養成講座、アストロノミー・パブ、みたか太陽系ウォークスタンプラリーなどを、三鷹ネットワーク大学と一緒にやらせていただいております。このような取り組みにより、三鷹市民をはじめとして多くの方々に、国立天文台の活動を知っていただける機会が増えました。
 この10年間で、国立天文台は大きく地域に開かれた研究所になったと自負しております。宇宙に関する最新の研究成果を、三鷹ネットワーク大学を通して地域の皆さんに知っていただくことは、私たちにとっては大きな喜びであり、また国立天文台の存在意義のひとつであるとも思っております。今後とも、三鷹ネットワーク大学とともに、地域の皆さんとの連携をさらに強めていきたいと思っております。


前田隆正 SOHO CITYみたか推進協議会 会長 三鷹ネットワーク大学開設10周年おめでとうございます。
 三鷹市では、清原慶子市長が提言された「SOHO CITY みたか」構想の一環として、平成15年4月、起業を考えている人を対象に起業に必要な事業計画の作成・起業の実務・事業を継続させる事業経営などの講座を開講しました。それが「SOHOベンチャーカレッジ」(現:「三鷹身の丈起業塾~SOHOベンチャーカレッジ」)です。
 私は塾長として、開講の当初からその運営に携わってまいりました。平成27年7月現在で第23期、合計約300名以上の方が修了、ここからSOHO約100社が誕生しています。現在でも多くの修了生が会社の設立や経営などについて私のところに相談にいらっしゃいます。
 三鷹ネットワーク大学をSOHO学びの拠点として、今後とも大いに期待しています。


石原郁子 おでん屋 えがお 店主 三鷹ネットワーク大学10周年おめでとうございます。
 2013年3月、経験も知識もないまま「おでん屋を開きたい」と訪れた三鷹商工会で「三鷹
ネットワーク大学」を紹介していただき、前田先生にお会いすることができました。その日は「三鷹身の丈起業塾 春期集中講座」開講2日前で、さっそく受講を申し込みました。
 それまでは事業計画という言葉さえ知りませんでしたが、2日間の講座で何とか計画を立て、発表し、前田先生から卒業記念品までいただきました。また、国の補助金を申請するように励まされ、難しい申請書類は一緒に起業塾を受講した受講生に教えていただきながら書きました。
oden.jpg「三鷹身の丈起業塾」で夢が実現した石原さんのお店 人脈のない私に、見習い先として前田先生が紹介してくださった食堂の店長さんからは、お料理や店づくりのアイディアと、駅から1分という物件を紹介していいただきました。
 定年後は地域の皆さんに身近に感じてもらえて、くつろげるおでん屋を開きたいという願いは、前田先生と身の丈起業塾との出会いで一気に実現へ動き出しました。


小谷野芳文 みたか観光ガイド協会 代表 10周年おめでとうございます。
 みたか観光ガイド協会は、三鷹市で市民活動している皆さんが「三鷹を案内するガイドを育てよう」とガイド養成講座を開き、活動を始めたのが1999年6月でした。講座に参加したメンバーは受講後、知ったことを知らせよう、と「太宰治ゆかりの場所ガイド」をはじめました。活動するなかで「太宰治」と「太宰治の生きたまち三鷹」をもっと知りたいと思っていた時、タイミングよく「太宰を読む百夜百冊」の講座が開講したのです。太宰治没後60年の2008年3月のことでした。私たちの仲間は、この機会に、積極的に参加して、大いに知識を吸収しガイドの参考にしたものでした。この講座は、残念ながら2013年5月で一旦閉講しましたが、5年と2か月の長丁場となり、こんなビッグな講座はもうないだろうと思いました。講座の担当者に感謝しています。
 その後、2013年と2014年に開講された「国立天文台ガイドボランティア養成講座」を受講していたボランティアの皆さんに、これまでのガイドの経験から学んだ「ガイドの心得」等を話す講師をさせていただきました。ボランティアの難しさや楽しさを共有することができて、とても楽しい講座でした。
 このような講座を開講してきたネットワーク大学には、これからも市民からの発想を生かし、三鷹のまちづくりに貢献されることを期待します。


縣 秀彦 自然科学研究機構  国立天文台 准教授 「10年ひと昔」と言いますが三鷹ネットワーク大学が創設された10年前に、三鷹市と三鷹市民の皆さんそして国立天文台の本格的な協力関係がスタートしました。創設の年の11月からスタートした毎月第三土曜日開催の「アストロノミー・パブ」は、回を重ねて今年の9月で109回となりました。日本で最も成功した科学コミュニケーションの場であるばかりか、このパブに集う市民や行政関係者の皆さんが「国立天文台のあるまち三鷹」をさまざまなアプローチで活性化されてきました。
 星空案内人「星のソムリエ・みたか」の養成とその活動機会の創出、三鷹の森科学文化祭「みたか太陽系ウォーク」と東京国際科学フェスティバルの定着、国の特区認定を受けての「宇宙映像利用による科学文化形成」事業、さらには波及効果として三鷹市星と森と絵本の家の開設など枚挙にいとまがありません。これらの成果は国の成功モデルとして科学技術白書2011年度版にも大きく取り上げられています。今後はさらに三鷹市民の皆さんが天文・宇宙を始めとする自然科学や科学技術、そして科学映像等に主体的に関われるよう、三鷹ネットワーク大学を中心とした地域の科学文化形成に、国立天文台も今まで以上にご協力していきたいと考えています。